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11 仕事

last update publish date: 2026-08-09 21:24:33

 幸い部屋の鍵は変えられていなかったので、貴重品と服を何とか持ち出し、事務所に戻る。

「とりあえず、荷物は事務所に置いておいていいから。奥の部屋、しばらくの間なら使ってもらっても大丈夫だけれど、ずっとはねえ……」

 と、宮園さんは告げ、東雲さんの家に仕事に向かった。

 ひとり残された私は、仕事をこなしながら、どうしたものかと悩んだ。

 でも答えなんてずっと出ない。とりあえず、しばらく家、間借りさせてもらってどうするか冷静になって考えようか。

 何がどうしてこうなったんだろう。

 深くため息をつきつつも仕事をしていると、宮園さんが戻ってくる。

 その表情はなんだか複雑そうだった。

「あ、お帰りなさい」

「あぁ、坂本さん。ねえ、東雲さんに何か言われた?」

「え?」

 宮園さんはデスクに腰かけながら言った。

「東雲さんに、改めて貴方に仕事どうかって言われて。東雲さんから直接誘われたっんですって? 今の状況考えるとどうなのかしら、と思って」

 確かに仕事に誘われた。

 今の状況考えると、時間も増えるしその分給料も上がる。

 でも私、仕事として家事、できるだろうか。

 食事は大丈夫だと思うけど
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  • クズ夫に捨てられた私、子連れで溺愛社長と結ばれる   59 夜の大人の時間

     ソファーの前のテーブルに置かれるワイングラス。 白ワイン、かな。 それにクラッカーやキューブのチーズが、新幹線の柄の紙皿に並んでいる。 紙皿がちょっと微笑ましい。「洗い物、減らしたいので」 と言い、八尋さんは私の隣に座る。ほんのわずか、隙間を開けて。 八尋さん、今日もいい匂いがする。 いつもと違う匂いな気がするけど、何でだろう。 この匂い、あれ、もしかして。「あれ、入浴剤、ですか?」 自信なく言うと、八尋さんはうんうん、と頷く。「そうですそうです。ほら、おもちゃがでてくる入浴剤、あるじゃないですか」「あぁ、バスボムですね。なんかいつもと違う匂いがするなと思って」 すると八尋さんは驚いた顔を向けてくる。「よくわかりましたね。自分だと匂い、よくわかんないですけど」 そう言いながら、八尋さんは自分の手首を顔に近づける。 その姿を見ながら私は笑い、「あはは、自分の匂いってよくわかんないですよねー」 と告げる。 私はどんな匂いがするんだろう、って思ったけれど、俊太とお風呂、入ったあとだから石けんの匂いがするだけだよね。「子ども、バスボム好きですよねー」「そうですね。うち、出た人形が玄関に飾ってます。出たら満足なんですよねー」 そういえば、ここの玄関、可愛いキャラクターの小さい人形が飾られていたっけ。 あれ、バスボムのだったんだ。 八尋さんが、グラスを手に取り言った。「最近、ヘアゴムの飾りが出てくるバスボムもあるんですよねー」「え、そんなのあるんですか?」 どういうことだろうと思って、私はスマホで調べる。 ゴムは別でついていて、バスボムの中から出てきた飾りを乾かして、ヘアゴムにつけるらしい。 知らないうちに、すごいのでてた。よく考えるなぁ。「知らなかった」「あはは、そうですよね。俺もびっくりしましたけど」 そして彼はこちらを向いて目を細めて笑い、グラスを掲げた。「とりあえず、飲みましょう」「は、はい」 私はグラスを慌てて手に取って、八尋さんの方を向く。 うーん、八尋さんの顔見てると本当にドキドキするなぁ。 グラスを傾けて、「乾杯」 っと言いあって、私たちはグラスに口をつけた。 久しぶりにお酒飲むなぁ。 ぐい、と飲んで、クラッカーにチーズをのせて口にする。「んー、美味しい」「久しぶりですね、

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     先生の指示に従って、俊太がタンバリンを鳴らす。 その姿が可愛くって、スマホ越しにすっごい見てしまう。 合奏が終わって私はいっぱい拍手をした。 家じゃあまだイヤイヤ期で手がかかるけれど、保育園だとこうして先生の言うことを聞いて、こんな楽器の演奏までできて。 なんだかほろり、としてしまう。 ちゃんと成長しているんだなぁ、俊太。 その後の劇で、俊太はきこりの役をやっていた。 緑色のベストに緑色の帽子を被って。台詞は言えないから全部先生が言ってくれるんだけど、ちゃんとフリをしてて可愛かった。 第一部が終わって、席を入れ替わって私たちは後ろに下がる。 今度は年少さん以上のプログラムで、さくらちゃんの出番がある。 ざわざわと保護者たちが席を移動していると、八尋さんの姿を見つけた。 視線が合うと、彼は小さく頭を下げてくる。 私も会釈だけして、そそくさと視線をそらして席を移動した。 下手に見られてなんか言われても面倒だもの。 しばらくすると、第二部が始まる。 最初は年少さんの歌と合奏だ。 赤いベストを着た年少さんたちが出てきて、鍵盤ハーモニカを持っている子もいる。 その中にさくらちゃんの姿を見つけて、私は小さく手を振った。 後ろの方なのでちょっと見にくいけれど、スマホのカメラでアップにするとよく見える。 さくらちゃんは鍵盤ハーモニカをひくみたいで、ステージの前に置かれたテーブルにハーモニカを置いて、椅子に腰かけて演奏が始まるのを待っていた。 先生のピアノに合わせて挨拶をした後、子供たちが声を合わせて言った。「せーの、『さんぽ』をうたいます」 せーの、って言ってるのも可愛いくて、保護者たちから笑いが漏れる。 ジブリの歌は定番よね。 演奏が始まって、さくらちゃんも歌を歌う。サビに入る前にハーモニカの演奏が入って、さくらちゃんは一生懸命に指を動かしていた。 といっても一音を長くひいているだけだけど。すごいなぁ。 演奏は一番だけで終わって、皆が立ち上がって観客席へと頭を下げる。 そこにいっぱい拍手して、年少さんのお歌と合奏は終わった。 そのあと、年中さんと年長さんのお歌と合奏が続いて、そのあといよいよダンスの時間だ。 演目を見ると、さくらちゃんの出番はもうすぐだ。 なんか可愛い服を着て踊ると言っていたけれど、どんな服なんだろう

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